記事16「CREST:日仏共同研究プロジェクト」

【フランス・研究】〔科学技術振興機構 デイリーウォッチャー〕2020年4月28公開

 

2020年2月6日、国立研究機構(ANR)* と科学技術振興機構(JST)は、CREST研究プログラムの一環として、テーマ「数学情報プラットフォーム」(数学・数理科学と情報科学の連携・融合による情報活用基盤の創出と社会課題解決に向けた展開)、および「ナノメカニクス」(革新的力学機能材料の創出に向けたナノスケール動的挙動と力学特性機構の解明)に関する共同プロジェクトの公募を開始した。

 

2018年以来、ANRは日本のCRESTプログラムのパートナーであるが、このプログラムでは将来の経済的・社会的ニーズを見越した優先的な研究目標を支援することを目指している。この協力の枠組で、ANRとJSTは、フランスのコーディネータと日本のコーディネータが率いるプロジェクトを支援しており、最先端分野の研究における日仏協力の強化に貢献している。

 

フランスの官・民パートナーに開かれており、プロジェクトの支援は5年間である。プロジェクトのコンソーシアムには、少なくともフランスのパートナー 1者と、日本のパートナー 1者が参加する必要がある。提案は、上記2つの研究テーマのいずれかに対応し、フランスのコーディネータがANRに、日本のコーディネータがJSTに連続して提出する必要がある。

 

ニュースソース:

ANR – JST CREST joint call for two research areas: “Mathematical Information Platform” and “Nanomechanics”(ANR,2020/2/6)

ANR –「数学情報プラットフォーム」と「ナノメカニクス」の2つの研究分野に対するJST CREST共同公募の開始

https://anr.fr/en/call-for-proposals-details/call/anr-jst-crest-joint-call-for-two-research-areas-mathematical-information-platform-and-nanomech/

用語

L’ agence de financement de la recherche sur projets en France

フランス国立研究機構(ANR

https://anr.fr/

フランスの公的研究資金配分機関。2005 年に公益団体として設立され、2007 年に公的法人化。

フランスの優先研究分野に属する研究課題を設定し、公私を問わず科学・学術全分野の研究者(団体)の研究プロジェクトに短期間(最長4年)資金を供出するファンディング・エイジェンシー。フランスの科学研究・開発および学術の質量両面の充実を目的としている。

大学や公立研究所、および企業の基礎研究、応用研究の補完的役割を果たし、国家予算の科学研究費(日本の場合は政府研究開発投資)の8パーセントを占める(平成21年)。

フランス国立科学研究センター(CNRS)や大学等の科学研究費の実施機関とは性質を異にし、公私の研究機関の協力関係を構築することが使命。大学、公立研究機関および企業など産学官の総力を結集して、優れた研究開発を生み出すためのトータルコーディネートを行う。

合衆国や日本など多くの国に普及している、研究プロジェクトに対する資金配分の仕組みは、基礎研究、応用研究、また研究機関の公私にかかわらず行われ、2008 年、研究プロジェクトの科学研究費としてトータル8 億 4700万ユーロの予算を支出した。